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加藤智大の中学死ねマ日記 『グーニーズ』

kato


 まず、主人公が喘息持ちという設定がぶっ飛んでいます。開始10分で、この監督は相当ワルい中学を出ているという感じがして不思議と鼻がつまりました。

 そして15分もしないうちに、1人ずつメイン登場人物のガキが集まり始めます。一人、また一人(デブ)、そしてもう一人。ここでは、ただただ一人残らず全員ムカつく顔をしているという奇跡に拍手を贈りました。

 発明家とアジア人の相性の悪さにおっかなびっくりしながら、友だちになるのは勘弁というクソみたいなやりとりが行われるうち、売り払う家の屋根裏から宝の地図が出ました。どうも片目のウィリーというかっこいい名前の海賊がお宝を隠したらしい。

 そしてなんだかんだ少しモメたら(詳しくはわかりませんが少しモメていました)、調子に乗ったクソガキどもの宝探しの始まりです。悪そうな奴らが出てきて、悪そうな奴らの地下にお宝があるらしいようなイキフン(雰囲気)の中、全員、暇なので地下へ。

 ガキどもが行動したせいで地上の便器が飛び上がって天井にぶつかる場面、コウモリに「髪をやられるぞ!」と言ってカツラを胸に入れる場面など、数々の名シーンを「わかるな~」と言いながら見た後は、みんなお待ちかねのキッスのシーンです。

 そこでは、兄貴の彼女とよくわからない女の2人が何かピンクな企みをしている。間髪入れずに僕が、
「大冒険の最中に何をふざけているんだ! そうゆう気分を持ち込むのは止めろ!」
 と叫ぶ制止の声も聞かず、兄貴の彼女は暗がりで叫んで兄貴の名を叫んでおびき出すのですが、兄貴はみんなでオシッコをするのに大忙しで、弟に「お前、見てこい」と言うのです。
 名探偵チンポコ諸君は、もう何が起こるかおわかりですね。
 おそるおそるそちらへ向かう弟、物陰から現れる兄貴の女、二人のシルエットが浮かび上がり、徐々に近づき、さしもの僕も、
「やばいやばいやばいやばいやばい!!」
などのアシストで映画を盛り上げてしまう中、弟は兄貴の女とキッスしてしまうのです。兄貴の女は、兄貴とキッスしたものと思い込んでいるようです。

 さてこの女、後に骨で出来たオルガンを弾く際、「うちのピアノの鍵盤と違うわ」とモタモタするんですが、僕はテレビに向かって「当り前だろ!やれ!」とかなりキレて怒った口調で言ってしまいました。そればかりか彼女、『お宝を発見して金貨をかき集める際、既に手に入れた装飾品のティアラを頭につけている』というお約束のギャグをかましていて、僕はすごく悔しかった。とにかく、それが何よりです。

 ラストはみなさんのその目で確かめて欲しいのですが、ネタバレになるので言いません。
 結局、この映画のメッセージは、かみ砕いて言えば、かなりの部分でピーコの言いたい事と同じだったのかもしれません。その昔、片目のウィリーがすごく(福本伸行と同じくらい)頑張って作り上げた数々の罠。片目のずり下がったスロースが得たチャンクとの友情。ボロボロになって手に入れた、ウソじゃなかったお宝、そして海賊船。

 海に帆影が見えたとき、ピーコが『片目を失って見えてきたもの』という本に書いていたとおりのことが本当に起こったんだ。ピーコはウソをついてなんかいなかったんだ。僕はそういう気分になりました。いつかきっと、同じ海でピーコの海賊姿が見たい、きっと似合うはずです。

 さて、最後にはかなり楽しんでしまった『グーニーズ』。
 気になる採点ですが、思い切って久々のトラック4.5台!
 トラック5台はあげられないですね、さすがに・・・・・・『もののけ姫』の牙城は高し!

加藤智大トラック評価4

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