二択のメグ
※「二択のメグ」では、読み手に二択を迫る場面がいくつかあります。
誤った選択をすると、主にその選択をなじるページに飛びます。
難問揃いですが、注意してお読みください。
第1章
ある晴れた日のことだった。
俺は電車に乗っていた。
すると背後から
「布団は唐突である。○か×か」
と声がした。
そこで俺は
○:大きな声で「×だ!」っと叫んだ→次の段落へ
×:次の駅で電車を降りた→こちらへ
声の主は「○だよっ」と答え、姿を消してしまった。
それが俺と二択のメグとの出会いだった。
第2章
電車で二択を迫られた記憶。
あれは一体なんだったんだろう。誰だったんだろう。
数日後、意外とあっさり情報が手に入ることになる。
自治体の掲示板に、要注意人物として挙げられていたのだ。
彼女は二択のメグというらしい。
俺の住んでる住宅街周辺を縄張りにしていて、
誰彼かまわず二択を吹っ掛ける。
そして、こちらが答えを外すと正解だけ言い残し、姿を消してしまう。
あいつだ、間違いない。
そして最後に書いてあった一文に俺は衝撃を受けた。
その一文とは
○:未だ二択に正解できた者はいない→次の段落へ
×:爪が割と丸い→こちらへ
メグにもう一度会いたい。
そして二択に正解したい。
俺はメグとの再戦を誓った。
あんな二択でも外すと悔しいのだ。
第3章
再戦に燃えてみたものの、どうやってメグと遭遇すればいいのか分からない。
奴は神出鬼没だ。
と、なると住宅街周辺という情報を手掛かりにうろうろしてみるしかないか。
だが、やるからには少しでも会える確率を上げたい。
どうしたものか。
○:メグは賢そうな人間を求めている。メガネでもかけてみるか。→こちらへ
×:メグは馬鹿そうな人間に二択を吹っ掛けてるんだ。カラフルな泥でもかぶろう→次の段落へ
我ながら馬鹿そうに仕上がったぞ。
期待に胸を躍らせ街を歩くこと1時間。
「経験は降る。○か×か」
メグだ。
ようし
○:「○だっ!」俺は会心の手ごたえを感じた。→次の段落へ
×:「あぁ…うぅ」俺はドギマギして家に帰ってしまった。→こちらへ
「×だよっ」
メグは消えてしまった。
外した。またしても。捉えきれなかった。
俺はやりきれない気持ちを抱えた。
二択のメグ、一体何者なんだ。
素性を明かさず、正解だけ言って消えてしまう。
悔しい。意地でも正解したい。
そんな思いから俺は馬鹿そうな格好で街をうろつき、メグとの再戦を繰り返した。
第4章
一度も正解できないまま負け星が20に差し掛かったある日、事件は起きた。
朝からどんよりとした曇り空だった。
今日は肩に水仙を刺し歩いている。
だが、妙だ。二択のメグが一向に現れない。
俺は、すっかりお決まりになっていたうろうろコースを回るうちに、公園から声がするのに気がついた。
「……○か×か」
「……○か×か」
メグだ。
だがおかしい。連続で問題を出している。
普段の奴ならすぐに正解を言って姿を消してしまうはずだ。
俺は、
○:嫌な予感がして公園の中へ駆けていった。→次の段落へ
×:眠くなってしまいその場で丸くなった→こちらへ
第5章
公園へ入ると、地獄のような光景が広がっていた。
自治体だ。
あまりの二択に自治体が怒り、腹の立つ顔のロボットを二体雇ったのだ。
一体は常に○と答え、もう一体は常に×と答えている。
なんてむごいことを。
これでは二択のメグは正解を言って消えることができないではないか。
メグの表情は憔悴そのもので、ひどく弱りながらも問題を出し続けることをやめない。
「裁きは鍵となる。○か×か」
「○だよ」「×だよ」
「……質量の棚に電子が入っていた。○か×か」
「○だよ」「×だよ」
内容を答える形式にすればいいのに。
三択にすればいいのに。
せめて、同じ二択でも「はい」か「いいえ」にするだけでいいのに。
メグは頑としてそれをしない。
俺はいても立ってもいられなくなって
○:ロボットの一体を思いっきり蹴とばした。→次の段落へ
×:ネットで「二択のメグ なんで」と調べた→こちらへ
ロボットは残り一体になった。
「火事は…測れる…。○か×か」
「×だよ」
「○…だよっ」
二択のメグはその場に倒れ込んだ。
第6章
おい、しっかりしろ。
自治体の視線も気にせず、俺はメグを抱き起こした。
彼女は、透明になってきていた。
無理な出題が祟ったのだ。
最後の力でメグが声を絞り出す
「命は…最大である。○か×か」
「○だ!!」
「×だよっ」
「そこは○だろ」と思った瞬間、帽子を残してメグは消えた。
俺は
○:帽子をかぶることにした。→次の段落へ
×:ふーんと思った。→こちらへ
おめでとう!二択は受け継がれる。
誤った選択をすると、主にその選択をなじるページに飛びます。
難問揃いですが、注意してお読みください。
第1章
ある晴れた日のことだった。
俺は電車に乗っていた。
すると背後から
「布団は唐突である。○か×か」
と声がした。
そこで俺は
○:大きな声で「×だ!」っと叫んだ→次の段落へ
×:次の駅で電車を降りた→こちらへ
声の主は「○だよっ」と答え、姿を消してしまった。
それが俺と二択のメグとの出会いだった。
第2章
電車で二択を迫られた記憶。
あれは一体なんだったんだろう。誰だったんだろう。
数日後、意外とあっさり情報が手に入ることになる。
自治体の掲示板に、要注意人物として挙げられていたのだ。
彼女は二択のメグというらしい。
俺の住んでる住宅街周辺を縄張りにしていて、
誰彼かまわず二択を吹っ掛ける。
そして、こちらが答えを外すと正解だけ言い残し、姿を消してしまう。
あいつだ、間違いない。
そして最後に書いてあった一文に俺は衝撃を受けた。
その一文とは
○:未だ二択に正解できた者はいない→次の段落へ
×:爪が割と丸い→こちらへ
メグにもう一度会いたい。
そして二択に正解したい。
俺はメグとの再戦を誓った。
あんな二択でも外すと悔しいのだ。
第3章
再戦に燃えてみたものの、どうやってメグと遭遇すればいいのか分からない。
奴は神出鬼没だ。
と、なると住宅街周辺という情報を手掛かりにうろうろしてみるしかないか。
だが、やるからには少しでも会える確率を上げたい。
どうしたものか。
○:メグは賢そうな人間を求めている。メガネでもかけてみるか。→こちらへ
×:メグは馬鹿そうな人間に二択を吹っ掛けてるんだ。カラフルな泥でもかぶろう→次の段落へ
我ながら馬鹿そうに仕上がったぞ。
期待に胸を躍らせ街を歩くこと1時間。
「経験は降る。○か×か」
メグだ。
ようし
○:「○だっ!」俺は会心の手ごたえを感じた。→次の段落へ
×:「あぁ…うぅ」俺はドギマギして家に帰ってしまった。→こちらへ
「×だよっ」
メグは消えてしまった。
外した。またしても。捉えきれなかった。
俺はやりきれない気持ちを抱えた。
二択のメグ、一体何者なんだ。
素性を明かさず、正解だけ言って消えてしまう。
悔しい。意地でも正解したい。
そんな思いから俺は馬鹿そうな格好で街をうろつき、メグとの再戦を繰り返した。
第4章
一度も正解できないまま負け星が20に差し掛かったある日、事件は起きた。
朝からどんよりとした曇り空だった。
今日は肩に水仙を刺し歩いている。
だが、妙だ。二択のメグが一向に現れない。
俺は、すっかりお決まりになっていたうろうろコースを回るうちに、公園から声がするのに気がついた。
「……○か×か」
「……○か×か」
メグだ。
だがおかしい。連続で問題を出している。
普段の奴ならすぐに正解を言って姿を消してしまうはずだ。
俺は、
○:嫌な予感がして公園の中へ駆けていった。→次の段落へ
×:眠くなってしまいその場で丸くなった→こちらへ
第5章
公園へ入ると、地獄のような光景が広がっていた。
自治体だ。
あまりの二択に自治体が怒り、腹の立つ顔のロボットを二体雇ったのだ。
一体は常に○と答え、もう一体は常に×と答えている。
なんてむごいことを。
これでは二択のメグは正解を言って消えることができないではないか。
メグの表情は憔悴そのもので、ひどく弱りながらも問題を出し続けることをやめない。
「裁きは鍵となる。○か×か」
「○だよ」「×だよ」
「……質量の棚に電子が入っていた。○か×か」
「○だよ」「×だよ」
内容を答える形式にすればいいのに。
三択にすればいいのに。
せめて、同じ二択でも「はい」か「いいえ」にするだけでいいのに。
メグは頑としてそれをしない。
俺はいても立ってもいられなくなって
○:ロボットの一体を思いっきり蹴とばした。→次の段落へ
×:ネットで「二択のメグ なんで」と調べた→こちらへ
ロボットは残り一体になった。
「火事は…測れる…。○か×か」
「×だよ」
「○…だよっ」
二択のメグはその場に倒れ込んだ。
第6章
おい、しっかりしろ。
自治体の視線も気にせず、俺はメグを抱き起こした。
彼女は、透明になってきていた。
無理な出題が祟ったのだ。
最後の力でメグが声を絞り出す
「命は…最大である。○か×か」
「○だ!!」
「×だよっ」
「そこは○だろ」と思った瞬間、帽子を残してメグは消えた。
俺は
○:帽子をかぶることにした。→次の段落へ
×:ふーんと思った。→こちらへ
おめでとう!二択は受け継がれる。